特定不能の何か

医学と社会保障、国家、人生、感じたこと.

初めてアプリ経由で人に会った

 出会い系サイトにいかがわしさを感じるのは,真面目人間にしては当然の感覚だと思うのだけど.まさか自分がこういうのにお世話にならないと,満足に同族に会えないなんてと思わないでもないですが.

 9mon で連絡先を交換した人.いわゆるヤリモクというのではなくて,自分の長ったらしい自己紹介文に,共感を覚えてくださり連絡をくれた方.年齢はダブルスコアに近い.
 来週お会いするという予定だったけど,急遽予定変更を打診された.今日の仕事は概ね終わっていて,上司がゆっくり仕事をしてたので先に上がらせてもらい,会いに行った.
 ツイッターでオフ会の経験はあり,正直インターネットネイティブ世代として現実で会うことくらい大したことないと思うのだけど,今回のケースは初体験で結構緊張した.急なスケジュール変更で,勝負パンツでもなかったしw

 初回に会う場所はなんとホテル.諸兄においてはがっつきすぎだろと思われるかもしれないが,本当に話を聞かれないために,ということでの相手からの提案だった.私としては,プラスアルファも期待しつつだったので全然問題なかったが.

 仕事がぎりぎりで,予定の1分遅れで待ち合わせ場所に到着.こちらから声をかけ,はじめまして.誰も見ていないことを確認しつつホテルにイン.元カノとラブホに入ったことはあるので人生二度目だったけど,それでも10年ぶりだった.大急ぎできたんだけれど,私はあまり汗をかかない方.だけど,とりあえずシャワー浴びますかって言ってもらってシャワーを浴びる.お相手もさっとシャワーを浴びられて,ラブホちっさいソファーで横並びに並んで.ビールを買ってきてもらったので,それを飲みながらいろいろと話していた.

 私は,異性を好きになることがほとんどないのがこれまでで,最近になって同性が好きだということが判明した話.相手は,昔から同性を追い求めていて,数十年経って同性愛であったことを自覚した話.私自身は,9mon の自己紹介文で「恐怖感が芽生えた」ことを書いていて,相手もいろんな恐怖を味わって,親近感を覚えていただいたんだそうだった.でも話していると,私は性的対象が一気にひっくり返って,生活の中で急に男に惹かれてしまう恐怖.相手は,同性愛を押し殺しながらこれまで生きてきて,やっと同性愛を自覚し,ある日理性を失って一線を超えてしまうのではないかという恐怖.
 お互いに,自覚症状としては恐怖感なのだけど,根本的なところが少し違うんだねっていう話をした.最終的には私の人生相談みたいになってしまった.

 

 私たちより上の世代は,それこそ同性愛なんてなかったこと,あるいは重い病気のように扱われてきたと思う.そして何より,社会生活を営めないレベルのスティグマがあったんだろうと思う.そして今,私たちの世代は,LGBT を認識し始め,どう付き合っていくかが草の根レベルで湧き上がってきた時代だと思う.

 相手は,ゲイパパとして表向きには完全なノンケとして生きてきた方.そうやって偽ってすごしてきて,辛さが増して今回のように男性同士で会うことに踏み切ったんだそう.家庭持ちの難しさを色々聞いた.

 

 自分は,ノンケとして生きていくのか,ゲイとして生きていくのかの選択に迫られている.ゲイとしての快感にどっぷり浸かると,そこからの軌道修正は難しいだろうと言われ,頭を抱えてしまう.

 自分の好意を押し殺して,ひっそり生きていけるのか.またその振り出しに戻った一夜だった.