同性婚は正しいのか
LGBT の権利界隈については,当事者(ないしそれに近いか)かどうかで議論の熱量がかなり違いますが,LGBT の権利自体の正当性自体を問う視点があるかどうかでも,トーンがずいぶん違う様な気がします.
性的嗜好というものが,ヒトにとって「生まれつき」なのかどうか,それとも個人が恣意的に選んでいけるものなのかどうかによって話の方向はずいぶん変わる様に思います.生まれながらにそうである場合,それはその人にとって選ぶことのできないことなので,選択不可能な性質に対して,社会が制限をかける(同性婚はできないとする,など)ことは,「正しいかどうか」で言えば正しくない様に思われます.
あるいは,同性婚を差し控えるべき妥当な理由があるのかどうか,という点も気になります.結婚詐欺が蔓延するなどという話もあって,ちょっとどういうことなのかわかりませんが,同性婚が社会的に害をもたらしたり混乱を引き起こすのであれば,慎重にならざるを得ないかもしれません.
先進国だから,とか,GDP ベースで,とかっていうのは,この議論において重要な視点ではない様に思われます.普通や伝統だと思っていることが,果たして私たちの思う正しさに合致しているのかを問い直すことが重要だと思うし,伝統を守ることの価値と,正しくない伝統を越えていくことの価値とを,平らに並べて比較できるのが,自由な私たちにとって大切なことの様に思われます.
その上で,同性婚を否定する相応の根拠って,ほとんどないんじゃないかなと思います.